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政府がテレワーク推進のガイドライン大幅改定!労務担当が考慮すべきこととは?

2021.12.13 コラム

政府がテレワーク推進のガイドライン大幅改定!労務担当が考慮すべきこととは?

2021年3月、政府は2018年のテレワーク推進ガイドラインを「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン 」(雇用型テレワークガイドライン)へと改訂、発表しました。

新型コロナウイルス感染症の影響で非対面・非接触な働き方が浸透しつつありますが、そういった“ニューノーマル”が反映されたガイドラインには、円滑にテレワークを導入・推進するためのヒントが示されています。

今回は、新しいガイドラインの改定ポイントと、テレワークを推進するうえで労務担当者が考慮すべきことを詳しく解説します。

目次

1.テレワークガイドライン大幅改定の目的

2.テレワークガイドライン改定のポイント
テレワークが難しい業種でも実施を検討する
全ての労働者をテレワーク対象とする
コミュニケーションへの配慮をする
職場の意識改革と制度の見直し
労使双方が納得して進める

3.テレワーク推進で労務担当者が考慮すること
適切な人事評価体制を作る
テレワークを効果的に実施するための人材育成
費用負担のルール決定
労働基準関係法令に則ったルール策定と周知
労働時間制度の活用と時間管理の工夫

4.政府の相談窓口や助成金も活用する

5.まとめ

1.テレワークガイドライン大幅改定の目的

厚生労働省が2018年2月に発表した「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」は、女性や高齢者、障がい者などの就業機会の拡大やワークライフバランスの実現、地域活性化を主眼としたものであり、導入する企業もまだそれほど多くありませんでした。

しかし2020年に国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認され、感染が拡大することで状況は一変します。国土交通省の調べによると、2019年のテレワーク人口の割合は9.8%だったのに対し、2020年は19.7%と倍増。テレワークは多くの企業で採用され、全国的に普及したのです。

その一方、導入上でさまざまな課題が浮き彫りとなり、それらを解消するために2021年3月にテレワークガイドラインは大幅改定が行われました。テレワークを円滑に導入するためのポイントが多数追加され、企業に強く推進を呼びかける内容となっています。

2.従来のJIS規格様式例との変更点

それでは新ガイドラインの改定内容から、テレワークを推進する上で押さえておきたいポイントを5つご紹介します。

テレワークが難しい業種でも実施を検討する

改定テレワークガイドラインでは、一般的にテレワークが難しいと考えられるような業種や職種についても、個別にでも実施できる部分がないか検討するよう促しています。

これまでの業務のあり方を前提にせず、業務遂行方法を見直すことでテレワークを実現できないか考えましょう。

全ての労働者をテレワーク対象とする

テレワークの対象者は、正規雇用労働者、非正規雇用労働者といった雇用形態の違いで区別してはいけません。合理的理由のない待遇差は、パートタイム・有期雇用労働法や労働者派遣法により禁止されています。

派遣労働者のテレワークに関して、厚生労働省は「派遣労働者のテレワークに関するQ&A」も公表していますので、合わせて参照してください。

コミュニケーションへの配慮をする

新入社員、中途採用、異動直後の社員など、関係構築がきちんとできていない労働者は、テレワークのみの勤務にするとコミュニケーション不足から疎外感を感じる恐れがあります。

テレワークと出社を組み合わせる、定期的に1on1ミーティングを行うなど、コミュニケーションを取るよう配慮しましょう。

職場の意識改革と制度の見直し

職場の雰囲気が原因でテレワークが普及しないケースも少なくありません。例えば、社内稟議の回付を紙で行っている、契約書や請求書には押印が必要といった場合にはペーパーレス化や押印の廃止、決済の電子化などの大きな制度改革が求められます。

まずは企業のトップや経営層が意識改革を行い、導入方針を示してもらうことが望ましいでしょう。

労使双方が納得して進める

テレワーク導入にあたっては、労使双方にメリットとなるよう話し合いを重ねながら進めることが大切です。下記のような項目についてあらかじめ確認し、ルールを定めておきましょう。

  • ・対象業務
  • ・対象労働者の範囲
  • ・実施場所
  • ・テレワーク可能日
  • ・費用負担
  • ・労働時間の管理方法


3.テレワーク推進で労務担当者が考慮すること

改定後の新ガイドラインでは、テレワーク中の労務管理上の留意点についても述べられています。労務担当者がテレワークを推進する上で忘れてはならない労務管理のポイントを5つご紹介します。

適切な人事評価体制を作る

テレワーク環境下でも適切に人事評価できる体制を整えることが重要です。上司は部下に評価基準を具体的に示し、必要に応じて達成状況を共有する機会を持つことが求められます。

人事評価者も非対面における評価に慣れていない人がほとんどですので、必要に応じて教育訓練の機会を設けても良いでしょう。

全社的にテレワークとオフィス勤務の評価方法を区別する場合、全ての人がテレワークを選択できるような工夫が必要です。そのうえで評価方法の違いを明確に説明しましょう。

テレワークを効果的に実施するための人材育成

テレワーク導入初期や新しいツールを採用したときなどに研修を実施するのも効果的です。

自律的に業務を遂行できるような人材の育成が求められますが、そのためには管理職の適切なマネジメントも重要です。慣れないうちは仕事の方針を示す、コミュニケーションの回数を増やすなど工夫をしましょう。

費用負担のルール決定

テレワークは労働者の自宅で行うケースが多く、多少なりとも費用負担が生じます。例えば機器購入費や光熱費、郵送代などが考えられますが、通信費など個人使用か業務使用かの見極めが難しいものもあり、合理的・客観的な計算が求められます。

労働者に大きな負担を強いないよう、労使で十分に話し合ってルールを決め、就業規則などに規定しておくといいでしょう。

在宅勤務に係る費用負担等に関する課税関係に関して、国税庁は「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」も公表していますので、合わせて参照してください。

労働基準関係法令に則ったルール策定と周知

テレワークにおいても、労働基準法上の労働者には、労働基準法や最低賃金法などの労働基準関係法令が適用されます。労使で策定したテレワークのルールは、就業規則に定め、労働者に周知しましょう。

なおテレワーク環境下でも、仕事中のケガや病気は労災保険給付の対象となります。各種ハラスメントに関しても同様ですので、明確なルール設定と報告体制の整備、従業員への周知を行いましょう。

労働時間制度の活用と時間管理の工夫

現状の労働時間制度を維持したままテレワークを認めることもできるため、フレックスタイム制や裁量労働制など、テレワーク環境に則した自由な選択を認めることも可能です。

また、出社勤務より長時間労働になりやすいという課題があるため、同様の問題が見受けられる場合は時間外労働の申請ルールの厳格化や制限などを設けても良いでしょう。

ただ、テレワークでは視認で労働者の働きを確認できないため、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン 」を参考に、情報通信技術を積極的に活用して労働時間管理を行うことが望ましいといえます。

4.政府の相談窓口や助成金も活用する

政府ではテレワークを推進するために、導入や実施に関わる労務管理上の悩みを相談できる専用窓口を設けています。オンラインコンサルティングも受けられますので、必要に応じてサポートを受けましょう。

テレワーク相談センター
〔電話〕0120-86-1009
平日9:00~17:00 ※祝日、年末年始を除く
〔メール〕sodan@japan-telework.or.jp

また中小企業向けに人材確保等支援助成金(テレワークコース)が準備されています。テレワーク推進で必要になる外部コンサルティング費用や通信機器費用、研修などに対して、機器等導入助成は対象経費の30%、目標達成女性は対象経費の20%が支給されます。支給要件を確認し、活用を検討することをおすすめします。

5.まとめ

2021年に大幅に改定された「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に普及したテレワークのさまざまな課題を解消するためのポイントが示されています。

基本的にテレワークはどの業種においてもできる範囲での導入が推奨され、全ての労働者が不合理に対象外とされないよう求められています。またテレワークを適切に導入・運用するためには、人事評価体制を整える、労使でルールを策定して就業規則に記載するなど、労務管理を適切に行うことが重要です。

政府でも専用相談窓口や助成金を設けるなど、支援体制が整備されているため、必要に応じて活用することをおすすめします。

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