お問い合わせ

「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」活用のポイント

2021.11.24 コラム

「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」活用のポイント

2020年4月にスタートした「同一労働同一賃金」について、派遣会社および派遣受け入れ企業が実務上のエラーがないか自主的に確認できるよう「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」が公開されました。

しかし、派遣会社と派遣受け入れ企業ともに、正しく対応できているかどうか不安に感じることも多いのではないでしょうか。

この記事では、「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」活用のポイントについて解説します。

目次

1.2021年5月「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」が更新

2.【派遣元:派遣先均等・均衡方式】自主点検のポイント
①派遣先からの比較対象労働者の情報提供
②均等・均衡待遇の確保
③待遇に関する事項等の説明
④労働者派遣契約の締結等
⑤事業報告
⑥関係者への待遇決定方式の情報提供

3.【派遣元:労使協定方式】自主点検のポイント
①過半数代表者の選出等
②労使協定の締結単位
③労使協定における必要事項
④労使協定で定めた事項の遵守や、公正な評価の取り組み
⑤同種の業務に従事する一般労働者平均賃金の確認
⑥派遣先からの待遇情報の提供
⑦待遇に関する事項等の説明
⑧労働者派遣契約の締結等
⑨事業報告
⑩関係者への待遇決定方式の情報提供

4.【派遣先】自主点検のポイント
①比較対象労働者等の情報提供
②労働者派遣契約の締結等
③派遣料金の配慮義務
④教育訓練の実施
⑤福利厚生施設の利用
⑥その他施設の利用
⑦派遣元事業者への必要な情報の提供

5.まとめ

1.2021年5月「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」が更新

「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」は、同一労働同一賃金に関して、派遣会社および派遣受け入れ企業が遵守すべき主な内容をまとめた点検シートで、事業所が自主的に確認できるようチェック項目が分かりやすく記載されています。

2020年7月29日に厚生労働省のホームページに公開、2021年5月17日に内容が更新され、今後も必要な改定・改善を行うとしています。

行政への提出義務などはありませんが、各労働局により行政指導や定期調査が実施されているため、確認不足によるコンプライアンス違反が発生しないよう、自主点検表を活用して日々チェックしておきましょう。

自主点検表は、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」「派遣先」の3種類があって、それぞれPDF形式とWord版がダウンロードできます。
※参考:厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について(自主点検表)」

次章からは、それぞれの形式ごとに自主点検のポイントをご紹介します。

2.【派遣元:派遣先均等・均衡方式】自主点検のポイント

「派遣先均等・均衡方式」を採用した場合、派遣会社は派遣受け入れ企業から提供された比較対象労働者の待遇に関する情報を元に、「均等待遇」か「均衡待遇」のいずれかによって、正社員と派遣社員の待遇差を解消するよう努める必要があります。

派遣先均等・均衡方式の自主点検表には6個の点検ポイントが記載されています。

①派遣先からの比較対象労働者の情報提供

派遣先(派遣受け入れ企業)から比較対象労働者の待遇に関する情報提供を受けているか確認しましょう。情報提供がなければ、労働者派遣契約は締結できません。

書面やFAX、メールなどで受けた情報は、派遣期間が終了した日から3年を経過する日まで保存しているかも、要確認です。

②均等・均衡待遇の確保

フルタイム労働者と派遣社員との間の不合理な待遇差が解消されているか確認が必要です。均等・均衡待遇の対象には、基本給だけでなく、賞与や手当、教育訓練、福利厚生など全ての待遇が含まれます。

③待遇に関する事項等の説明

派遣労働者を雇用する時や派遣する時に、文書の交付やFAX、メールなどで、待遇に関する明示や説明を適切に行いましょう。求めがあった時にも、比較対象労働者との待遇の違いの理由などを説明しなくてはいけません。

④労働者派遣契約の締結等

同一労働同一賃金に関連して新しく追加された下記の項目を、労働者派遣契約書などにしましょう。

  • ・労働者派遣契約書
     →「責任の程度」及び「協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」
  • ・派遣元管理台帳
     →「協定対象派遣労働者であるか否かの別」及び「責任の程度」
  • ・派遣元事業主から派遣先への通知
     →「協定対象派遣労働者であるか否かの別」
  • ・就業条件等の明示
     →「責任の程度」

⑤事業報告

派遣会社は、6月末までに都道府県労働局に労働者派遣事業報告書を提出することが必要です。

⑥関係者への待遇決定方式の情報提供

労使協定を締結しているか否かについて、派遣労働者や派遣受け入れ企業などの関係者に情報提供を行わなければなりません。原則、情報提供は、インターネットを利用しましょう。

3.【派遣元:労使協定方式】自主点検のポイント

労使協定方式を採用した場合、派遣会社の担当者は、派遣労働者の賃金が職種ごとに定められた「一般労働者の賃金水準」と同等以上になっているか確認する必要があります。

労使協定方式の自主点検表には、以下の10個の点検ポイントが記載されています。

①過半数代表者の選出等

労働者の過半数で組織する労働組合、または管理監督者以外から投票や挙手など民主的な方法で選出された過半数代表者との間で、書面により労使協定を締結しているか確認しましょう。

②労使協定の締結単位

労使協定の単位を意図的に分けてはいませんか?労使協定は「派遣元事業主単位」または「労働者派遣事業を行う事業所」単位で締結することが必要です。

③労使協定における必要事項

労使協定の対象となる派遣労働者の範囲、限定する場合にはその理由、労使協定の対象とならない待遇、教育訓練を実施することなど、労使協定において必要な事項を定めているか、もう一度確認しておきましょう。

労使協定の有効期間(始期と終期)を記載することも必要です。

④労使協定で定めた事項の遵守や、公正な評価の取り組み

労使協定で定めた事項は守っていますか?公正な評価に取り組んでいますか?もし違う場合には、労使協定方式は適用されずに派遣先均等・均衡方式となります。

⑤同種の業務に従事する一般労働者平均賃金の確認

派遣社員の賃金決定方式は、一般賃金と同等以上の額になるよう労使協定に記載しましょう。賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計のどちらを使うか、明示します。

⑥派遣先からの待遇情報の提供

派遣先(派遣受け入れ企業)から待遇(教育訓練/福利厚生施設の利用)に関する情報提供を受けているか確認しましょう。情報提供がなければ、労働者派遣契約は締結できません。抜けもれがないように、様式例を使うことをおすすめします。
※参考:厚生労働省「待遇に関する情報提供」

書面やFAX、メールなどで受けとった情報は、派遣が終了した日から起算して3年を経過する日まで保存することが必要です。

⑦待遇に関する事項等の説明

同一労働同一賃金に関係し、記載事項として追加された下記の項目を契約書類などに記載しているかチェックしましょう。

  • ・労働者派遣契約書
     →「責任の程度」及び「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」
  • ・派遣元管理台帳
     →「協定対象派遣労働者であるか否かの別」及び「責任の程度」
  • ・派遣元事業主から派遣先への通知
     →「協定対象派遣労働者であるか否かの別」
  • ・就業条件等の明示
     →「責任の程度」

⑨事業報告

労働者派遣事業報告書を提出する際は、労使協定を添付し、6月末までに対応しましょう。

⑩関係者への待遇決定方式の情報提供

労使協定を締結しているか否かについて、派遣労働者や派遣先など関係者に情報提供を行いましょう。情報提供は、原則インターネットを利用して常時必要な情報を提供するよう心がけます。

4.【派遣先】自主点検のポイント

派遣先(派遣受け入れ企業)の担当者の点検ポイントは、派遣会社が派遣社員の待遇を決定するために必要な情報をきちんと提供できているか、派遣社員に正社員と同程度の福利厚生を提供できているかです。

派遣先の自主点検表には7個の点検ポイントが記載されています。

①比較対象労働者等の情報提供

待遇決定方式に合わせ、派遣会社に比較対象労働者の待遇等に関する情報を書面やFAX、メールなどで提供し、その写しを派遣終了日から3年経過日まで保管しましょう。提供内容にはもれがないよう、厚生労働省の様式例を使用すると安心です。

※派遣先均等・均衡方式 参考:厚生労働省「比較対象労働者の待遇等に関する情報提供」
※労使協定方式 参考:厚生労働省「待遇に関する情報提供」

②労働者派遣契約の締結等

同一労働同一賃金に関して新しく追加された下記の項目を、労働者派遣契約書などに記載しましょう。

  • ・労働者派遣契約書
     →「責任の程度」及び「協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」
  • ・派遣先管理台帳
     → 「責任の程度」及び「協定対象派遣労働者であるか否かの別」

③派遣料金の配慮義務

派遣社員の待遇改善が行われるよう、派遣会社から要請があれば派遣料金の交渉に応じ、待遇改善が行われるよう配慮しましょう。

④教育訓練の実施

派遣受け入れ企業は、自社の業務遂行に必要な能力を付与するための教育訓練を実施する場合、派遣会社から要請があれば派遣社員にも実施しているか確認しましょう。

⑤福利厚生施設の利用

給食施設や休憩室、更衣室などの福利厚生施設について、派遣労働者に対しても利用の機会を与えましょう。

⑥その他施設の利用

自社に設置・運営しており、正社員が利用している場合、物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設などの施設を派遣労働者も利用できるよう配慮しましょう。

⑦派遣元事業者への必要な情報の提供

教育訓練や待遇決定、待遇に関する説明などが適切に講じられるようにするため、派遣会社から求めがあったときは、自社社員の情報や派遣社員の業務遂行状況といった必要な情報を提供するよう協力しましょう。

5.まとめ

2020年7月29日に厚生労働省のホームページに公開された「派遣労働者の待遇改善に係る自主点検表」は、同一労働同一賃金について、派遣会社、派遣受け入れ企業が自主的にチェックするための点検表です。

提出用の書類ではありませんが、各労働局で行政指導などが行われているため、実務上のコンプライアンス違反を防ぐために積極的に活用していきましょう。

CONTACT

お問い合わせ・ご相談

導入に関するご相談やご不明点がございましたら
お気軽にご連絡くださいませ。
専門スタッフがさらに詳しくご説明いたします。

お問い合わせ一覧ページへ
tel-icon0120550963

営業時間:平日(月~金)

9:00~17:00

派遣元向けオンライン説明会 派遣元向けオンライン説明会
派遣先向けオンライン説明会 派遣先向けオンライン説明会
無料トライアル実施中 無料トライアル実施中
Pagetop