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派遣のクーリング期間とは?抵触日との関係性や注意点

2022.01.19 労働者派遣法

派遣社員を受け入れている企業の担当者であれば、「派遣の3年ルール」と「クーリング期間」はご存じでしょう。

しかし、3年の期間制限には個人単位と事業所単位の2種類があり、それに応じてクーリング期間の起点となる抵触日が異なるなど詳細まで熟知している方は多くないようです。人材不足が続くなか、即戦力となる派遣社員をいかにうまく配置していくかは円滑な経営のために重要なことでしょう。

本記事では、派遣のクーリング期間について、抵触日との関係性や注意点を解説します。クーリング期間を設けずに働いてもらう方法も紹介しますので、ご参考にしてください。

目次

クーリング期間とは
個人単位でみるクーリング期間
事業所単位でみるクーリング期間

派遣会社が変わってもクーリング期間に影響しない
クーリング期間を不適切に使用しない
直接雇用した社員は1年間派遣できない

【個人単位】別部署に異動する
【事業所単位】延長手続きを踏む
直接雇用を打診する

1.派遣のクーリング期間とは?抵触日との関係性

派遣におけるクーリング期間とはどのようなものなのか、抵触日との関係性とあわせてチェックしましょう。

クーリング期間とは

クーリング期間とは、抵触日を迎えた派遣社員に再び働いてもらうために必要な空白期間を指します。

そもそも人材派遣は、契約開始から3年間しか利用できないと労働者派遣法で定められています。例えば、2021年10月1日を開始日とした場合、2024年9月30日までの3年間が人材派遣利用期間とされ、利用期間終了日の翌日である2024年10月1日以降は人材派遣を利用できなくなります。

この「利用開始から3年後の翌日(利用できなくなる日)」のことを「事業所単位の期間制限に抵触する日」といい、短く「抵触日」と呼ばれます。

しかし抵触日を迎えても、その後3カ月と1日(3カ月超)の間、派遣社員を雇い入れなければ、また新たに3年間人材派遣の受け入れが可能になります。この空白の約3カ月間が「クーリング期間」です。

ただし、派遣期間制限は個人単位と事業所単位の2種類あり、個人よりも事業所単位の抵触日が優先されます。クーリング期間の起点を確認する際は、単位がどちらに設定されているかにも注意を払いましょう。

個人単位でみるクーリング期間

抵触日を個人単位でみた場合、上限である3年間の受け入れ期間を満了したとしても、クーリング期間を設ければ、同一の組織単位で同一の派遣社員を新たに3年間受け入れても問題ありません。

例えば、下図のように3年間連続して同一個人を受け入れた場合は3年後の翌日が抵触日に該当します。

一方、下図のように同一個人を繰り返して受け入れた場合には、合算3年に達した日の翌日が抵触日になります。

いずれのケースも抵触日から3カ月と1日(3カ月超)のクーリング期間を置けば、再度同一個人の同一組織への受け入れが可能です。

事業所単位でみるクーリング期間

事業所単位で設定している場合は、最初に派遣された人の派遣開始日から3年後の翌日を抵触日としてクーリング期間を設けることになります。

そのため、後から別の人を派遣してもらったとしても、先に派遣されている人の抵触日が優先されるため、あとから派遣された人の勤務期間が3年未満でも一緒にクーリング期間に入ります。

同じ人に働き続けてもらいたい場合や新たに別の派遣社員を受け入れたい場合でも、事業所単位の抵触日から3カ月と1日(3カ月超)のクーリング期間終了後に再依頼という形になるのです。

2.クーリング期間の注意点

ここからは、クーリング期間に関して押さえておきたい注意点を3つ解説します。

派遣会社が変わってもクーリング期間に影響しない

クーリング期間を避けるために派遣社員に別の派遣会社に乗り換えてもらっても、クーリング期間に影響はありません。同じ派遣受け入れ企業で働く場合は、派遣社員が派遣会社を移ったとしても派遣期間は通算されると決まっているからです。

そのため、派遣会社を乗り換えたとしても最初に派遣された日から通算3年に達した日の翌日が抵触日であることに変わりはなく、クーリング期間をなくして働き続けてもらうことはできません。

クーリング期間を不適切に使用しない

クーリング期間の本来の目的は、派遣社員の直接雇用やキャリアアップを促すことです。正規の継続手続きを取らずに、クーリング期間を利用して同じ人材を何度も働かせることは不適切だとされています。

抵触日を迎える派遣社員に働き続けてもらうためには、抵触日の1カ月前までに過半数労働組合などの意見聴取手続きを行う必要があります。その手続きを避けるために、クーリング期間を空けてから再度派遣社員として働いてもらうということを何度も繰り返した場合、都道府県労働局から指導を受けることになりかねません。

派遣可能期間の延長手続きの回避を目的として、クーリング期間を悪用するのは避けましょう。

直接雇用した社員は1年間派遣できない

「クーリング期間中だけ直接雇用して働いてもらえば良い」と考える企業もあるかもしれません。しかし労働者派遣法では、クーリング期間中に直接雇用した場合、期間が明けたあとに再度派遣社員としての契約はできないとされています。

これは労働者派遣法で「離職の日から起算して1年を経過するまでは、派遣労働者として雇用してはならない」と明確に定められているためです。

3.クーリング期間を設けずに働いてもらう方法

優秀な派遣社員に、クーリング期間を設けずに長く働いてもらうことはできるのでしょうか?ここでは考えられる方法を3つご紹介します。

【個人単位】別部署に異動する

抵触日が個人単位で設定されている場合、同じ企業内でも別の部署や課に異動すれば継続して働くことが可能です。同一の派遣労働者に対する3年以上の派遣が禁じられているのは、同一の組織単位とされているためです。

例えば人事課に派遣されている人が、クーリング期間なしで同じ人事課に居続けることはできません。しかし、会計課などこれまでと異なる課への派遣は「同一組織への派遣」には該当せず、クーリング期間なしでも問題ないとされています。

ただし、抵触日を延長するために故意に異動させることは、労働者派遣法26条7項により禁止されている「特定目的行為」にあたる違反行為と判断されるケースがあるので注意が必要です。

【事業所単位】延長手続きを踏む

抵触日が事業所単位に設定されている場合、労働組合や事業所の従業員の過半数を代表する人に対し、抵触日の1カ月前までに意見聴取を行う延長手続きを踏めば、派遣継続が可能です。意見聴取で延長が認められると、3年を限度として派遣可能期間を延ばせます。

なお、以下に該当する人や業務はクーリング期間や抵触日の例外となるため、初めからそういった人を派遣してもらうのも方法のひとつです。

  • ・派遣元事業主で無期雇用されている派遣労働者
  • ・60歳以上の派遣労働者
  • ・有期プロジェクト業務(事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のための業務であって一定期間内に完了するもの)
  • ・日数限定業務(1カ月間に行われる日数が通常の労働者に比べ相当程度少なく、かつ、月10日以下であるもの)
  • ・産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務

直接雇用を打診する

クーリング期間中も働いてもらいたい、クーリング期間が明けたらすぐに派遣してほしいと願うような優秀な人材であるなら、直接雇用を打診するのも方法のひとつです。

そもそも1年以上継続勤務しており、派遣元である派遣会社から雇用依頼があれば、受け入れ企業には直接雇用する努力義務があるとされています。

また、派遣社員を正規雇用労働者として直接雇用した場合、一定の条件を満たすことで助成金が支給される「キャリアアップ助成金」が適用されるケースもあります。派遣社員の直接雇用を検討するときには、制度を利用できるか確認すると良いでしょう。

4.まとめ

人材派遣では、契約開始から3年間しか派遣を受けられない期間制限があります。しかし抵触日から3カ月と1日以上のクーリング期間を設ければ、抵触日がリセットされて、また新たに3年間人材派遣を受け入れられます。

クーリング期間中は派遣社員が働けなくなるため、なんとか回避したいと考えるものですが、乱用は不適切です。派遣社員がほかの派遣会社に乗り換えたとしても、抵触日がリセットされることはありません。

抵触日が個人単位に設定されている場合は、同じ企業内でも異動すれば継続して働いてもらえます。事業所単位であれば、労働組合などの意見聴取で賛同が得られれば継続が可能です。しかし、引き留めたいほど優秀な社員であれば、直接雇用を検討するのも方法のひとつです。その際には、キャリアアップ助成金が適用されないか確認することをおすすめします。

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