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給与明細に保管義務はないのになぜ必要?企業側が保管するメリットを解説

2022.06.20 人事・労務

毎月発行する給与明細の保管に悩まされている担当者の方は多いのではないでしょうか?

そもそも企業側に給与明細自体の保管義務はないはずなのに、なぜ保管をしているのか疑問に思ったことはありませんか?もちろん、それなりの必要性とメリットがあるからなのです。

そこで今回は、企業が給与明細を保管する理由やメリットについて詳しく解説します。さらに、保管の悩みを解決する電子給与明細に切り替えるときの注意点もご紹介していきます。
疑問や課題をクリアにして気持ちよく仕事に取り組みましょう。

目次

法定三帳簿の保管義務の罰則回避
従業員からの賃金請求権の証拠書類にできる
給与明細再発行依頼にすぐ対応できる

全従業員の許可を取る
印刷対応も可能にする
システム費がかかる
人的ミスによる情報漏洩対策が必要

1.給与明細に保管義務はないが保管した方がいい

給与明細は従業員に渡してしまったあとは、企業側に保管義務はありません。しかし、ほとんどの企業では数年にわたり保管をしています。それなりの理由とメリットがあるからです。

まず一番の理由としては、給与明細は賃金台帳と重複する項目が多いため実質的な賃金台帳として扱っている会社もあるでしょう。その場合は「法定三大帳簿」とみなされ、最低5年間の保管義務が発生します。

さらに、給与計算の根拠となる給与明細の関連書類も労働基準法や税法によって5年または7年の保管義務が法で定められています。

<保管義務がある給与明細の関連書類> ※2022年5月現在

5年間の保管義務 ・賃金台帳
・労働者名簿
・出勤簿
7年間の保管義務 ・給与所得者の扶養控除など(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
・源泉徴収簿 など

これらの書類をとりまとめた記録である給与明細は企業にとっても重要なものなのです。

また、従業員からの再発行依頼や給与未払い問題が発生した際の支払い証明として備えることもできるので、かさばる書類であっても保管する意味は大きいといえます。

<参考>
労働基準法 第109条記録の保存
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
国税庁 No.2503給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2503.htm

2.企業が給与明細を保管する3つのメリット

企業が給与明細を保管するメリットについて詳しく見ていきましょう。

法定三帳簿の保管義務の罰則回避

法定三帳簿とは「労働者名簿・賃金台帳・出勤簿」の3つの帳簿で、労働基準監督署の監督の際に提出を求められる重要書類です。給与明細は賃金台帳と同じ内容になりやすく、賃金台帳に該当するとみなされた場合は法定三帳簿として5年間の保管が義務付けられます。

もし違反すると是正勧告や30万円以下の罰金などの罰則を受ける恐れがあります。罰則回避のため保管するのが得策でしょう。

従業員からの賃金請求権の証拠書類にできる

従業員は労働基準法の賃金請求権によって未払賃金を過去5年間までさかのぼって請求できます。

給与明細は支払い額の根拠と支払ったことの証明となる書類です。5年間保存しておけば、残業代の未払いなどで訴えられた場合にも容易に確認ができ、冷静に対処できるでしょう。

給与明細再発行依頼にすぐ対応できる

給与明細の再発行依頼にすぐに答えられるというのもメリットです。会社側に再発行の法的義務はありませんが、従業員との信頼関係構築や記載ミスの可能性を考慮すると対応した方が良いでしょう。

給与明細は配布後も一定期間保管し、いつでも再確認や再発行をできるようにしておきましょう。

3.給与明細を保管するなら電子化がおすすめ

給与明細は平成18年度税制改正により電子書面での配布が可能になっています。きちんと保管していくなら電子化がおすすめです。

給与明細を紙で発行している場合、従業員の数と保管年数に比例して増える膨大な保管スペースは悩みの種でしょう。たくさんのファイリングに加えて、印字の劣化対策や紛失対策、個人情報保護のカギ管理など現場は大変です。

一方、電子データ化された給与明細では、収納場所や劣化対策が不要な上、検索も容易で紛失リスクも大幅に減らせます。またメール送付できるため、出張やテレワークなど従業員の居場所を問わず対応できるのも、いま求められる利便性のひとつでしょう。

<電子化のメリット>

  • 印刷、配布、ファイリングなどの負担の軽減
  • 給与明細に関する消耗品のコスト削減
  • 紛失リスクの低減
  • 保管や配布、検索が容易
  • テレワークにも対応しやすい

4.給与明細を電子化するときの注意点

給与明細を電子化するときは、事前に法律と電磁書類ならではの注意点も押さえて検討しましょう。

全従業員の許可を取る

給与明細の電子化を認める所得税法には「交付を受ける従業員が承諾すれば明細の電子化は可能」と記載されています。つまり、電子化には事前に全従業員の承諾が必要です。

特定の個人だけ同意を得られない場合は従来の対応と電子化対応を両立することになり、かえって手間が増す可能性もあり得ます。従業員側の利便性などを丁寧に説明し、理解を得る工程が必要でしょう。

印刷対応も可能にする

所得税法には「書面での交付請求があれば応じなければならない」とも記載があります。給与明細は電子化しても、いつでも印刷できる体制の保持が必須と覚えておきましょう。

電子化を拒否する従業員がいたら、「保存は電子化になるが印刷は可能」と伝えると理解が得やすいかもしれません。

システム費がかかる

給与明細の電子化は専用システムの導入と運用に費用がかかります。従業員が少ない場合はコストに見合うメリットがあるか検討が必要です。

紙の給与明細を廃止すると印刷用紙や封筒、ファイリングに伴うコストカットもできるので、それもふまえて費用対効果を検証しましょう。

人的ミスによる情報漏洩対策が必要

電子化された給与明細は扱いが簡単になる分、メールの誤送信や閲覧権の設定漏れなど、これまでとは違った人的ミスによる情報漏洩リスクが生まれます。扱い方の研修やセキュリティ設定など充分な対策をとる準備をしましょう。

5.まとめ

保管義務がないのに企業が給与明細を保管する理由は、罰則回避と利便性を考慮した結果です。

給与明細はその記載内容から保管義務がある賃金台帳と見なされる可能性があります。また、従業員から未払い賃金で訴えられた際は支払いの証拠書類となり、明細の再発行を求められた際は保管していればすぐに答えられます。

給与明細の保管場所や管理で悩む場合は電子化がおすすめです。全従業員の許可や導入費用などの注意点はありますが、紙の保管に関する悩みの多くを解決できるでしょう。

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