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【派遣先】義務化された教育訓練の内容と実施時のポイント

2022.03.17 人事・労務

2017年の厚生労働省「派遣労働者実態調査」によると、派遣労働者に対して教育訓練や能力開発を行った事業所の割合は59.0%。約4割の事業所は教育訓練を実施しておらず、派遣労働者はスキルアップが難しい状況に置かれていました。

この実態を受け、2020年の派遣法改正では派遣受け入れ企業(派遣先)の教育訓練が義務化されました。しかし教育といっても、何をどう進めれば良いのかわからずに悩んでいる人事担当の方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、派遣を受け入れる企業が行うべき教育訓練の種類や実施するときのポイントなどをご紹介します。

目次

業務に必要な教育訓練
キャリアアップ教育
安全衛生教育

教育訓練は無償で行う
教育訓練の内容を受け入れ時に説明する
派遣先管理台帳で派遣会社に通知する
社内ルールを見直す

1.2020年の派遣法改正により派遣先の教育訓練が義務化

近年の派遣労働者の増加にともない労働者派遣法は頻繁に改正が実施されています。教育訓練についても、2015年の改正で派遣受け入れ企業に教育訓練実施の配慮義務が課されました。

しかし、2017年の厚生労働省「派遣労働者実態調査」で4割の事業所が教育訓練を実施していないという実態を受け、2020年の派遣法改正で教育訓練は「配慮義務」から「義務」となりました。

これは、派遣社員の不合理な待遇格差を禁止する「同一労働同一賃金」の施行に伴うもので、待遇には給与や福利厚生などのほか、教育訓練も含まれます。キャリア形成がしにくい傾向がある派遣社員に、正社員と同様に学ぶ機会を与え、能力や待遇の向上を目指せるようにする狙いがあります。

派遣受け入れ企業での派遣労働者の待遇は、派遣会社(派遣元)が定める賃金決定方式「派遣先均等・均衡待遇」「労使協定」のいずれかに合わせたものになりますが、教育訓練は、派遣受け入れ企業・派遣会社共通で義務化されたため、いずれの方式を選んでも実施しなければなりません。

2.派遣先が行うべき教育訓練とは

派遣受け入れ企業が派遣労働者に行わなければならない教育訓練には3つの種類があります。

業務に必要な教育訓練

第一に行うべき教育訓練は、業務遂行のために必要な知識や技能についてです。労働者派遣法第40条第2項により「派遣会社の求めに応じ、業務の遂行に必要な教育を施すこと」が義務化されています。

本来であれば、派遣労働者の教育は雇用主である派遣会社が行うものですが、実際の業務に密接にかかわる訓練については、就業場所となる派遣受け入れ企業が実施するほうが適しています。そのため自社の正社員と同様の教育訓練を行うことが義務となりました。

ただし、派遣会社が実施できる訓練内容や派遣労働者が必要な能力をすでに持っている場合は、教育訓練を実施する必要はありません。

キャリアアップ教育

派遣受け入れ企業には派遣会社が行うキャリアアップ教育への協力も求められます。

こちらの実施は派遣会社側の義務ですが、フルタイムで1年以上の雇用を見込んでいるすべての派遣社員に対し、入社から3年間、派遣社員の描くキャリアパスに沿ってカリキュラムを作成し、年間8時間以上のキャリアアップ教育を実施しなければなりません。

それにともない、派遣受け入れ企業もOJTの協力などを求められることがあります。努力義務ではありますが可能な限り協力しましょう。

安全衛生教育

派遣社員を受け入れるときには、派遣会社で十分な安全衛生教育が行われたかを書面などで確認しましょう。

安全衛生教育は労働災害を防ぐために、安全衛生に関する知識などを学ぶために行うものです。労働安全衛生法では原則的な主体責任は派遣会社ですが、実際に労働者を使用する事業者として派遣受け入れ企業も安全衛生確保の責任を負います。

また、派遣社員を受け入れ時とは異なる作業に転換させる場合や作業内容に大幅な変更があるときには、派遣受け入れ企業が安全衛生教育を行う義務があります。さらに、クレーンの運転や玉掛け作業などの危険有害業務に派遣社員を従事させる際も特別教育を施さなければならないので注意しましょう。

3.派遣先が教育訓練を実施するときのポイント

派遣受け入れ企業が派遣社員に教育訓練を実施するときのポイントは4つあります。順番に詳しく確認しましょう。

教育訓練は無償で行う

業務遂行に必要な能力を付すための教育訓練にかかる費用はすべて企業が負担し、訓練時間は有給になります。

ただし、正社員が自己負担で受けている教育訓練に関しては、「業務の遂行に必要な教育訓練」に該当しないので派遣社員に実施する必要はありません。

教育訓練の内容を受け入れ時に説明する

2021年の労働者派遣法の改正により、企業が派遣社員を受け入れる際に説明すべき事項に「教育訓練の内容など」が追加されました。訓練の実施には派遣社員の同意が必要なので、事前に教育訓練の内容をまとめて伝達しましょう。

派遣先管理台帳で派遣会社に通知する

派遣受け入れ企業の担当者は、派遣社員に対し、いつ・どのような教育訓練を行ったのかを派遣先管理台帳に記載して派遣会社に報告する義務があります。

「〇年〇月〇日 ××についての訓練を実施した」というように、日付と訓練内容を具体的に記載しましょう。

派遣先管理台帳の作成と保管が適切でない場合は罰金となるケースもあります。不明点があれば派遣会社の担当者に質問することも大切です。

社内ルールを見直す

派遣社員の教育訓練は義務なので、受け入れ前から正社員と同等の教育コストや手間がかかると想定して研修内容や社内ルールを見直しておきましょう。計画的に準備して迎えることで、受け入れ後の業務や教育も無理なくスムーズに行えるはずです。

4.まとめ

2020年の労働者派遣法の改正により、派遣受け入れ企業(派遣先)の派遣社員に対する教育訓練が配慮義務から義務へと変わりました。派遣社員を受け入れる企業は、業務遂行に必要な教育訓練やキャリアアップ教育への協力、必要に応じた安全衛生教育を行わなければなりません。

また、教育訓練の実施には訓練費用の負担、事前の内容説明、派遣先管理台帳による派遣会社への実施報告を求められます。それなりの教育コストや業務時間が見込まれるため、派遣社員を受け入れる際は、事前に教育研修や社内ルールを見直しておくとスムーズでしょう。

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